名誉館長の部屋

暑い夏も多彩に(1)

2017.08.02

8月も多くの方々のご協力により種々の催し物などの用意ができています。

フニーバオバブは今

関係の皆様を紹介させて貰う前に8月といえばフニーバオバブが気になります。現在、蕾が10個見つかっています。長さは約3cmです。開花には15cm以上の長さが必要です。昨年より着蕾が10日以上遅く、開花は8月15日以降と予想されます。時間は19時30分頃の夜間です。公開に関してはHP上にてお知らせします。

長さ約3cmのフニーバオバブの蕾

昆虫の教室

次は植物と切り離せない昆虫のことです。2017年3月まで大阪府公園箕面昆虫館の名物館長で、現在は新たに立ち上げられた非営利団体の昆虫科学教育館(箕面市)の代表者として活躍されている久留飛克明氏に協力いただいています。この夏はカマキリ、アゲハチョウの付き合い方を、同教育館のベテランのカマキリ先生こと渡部宏氏に7月に指導いただきました。大人気でした。蝶先生こと古橋紀子さんには8月11日に指導していただきます。館内の高山植物室でミヤマカラスアゲハ、アゲハ、クロアゲハなどの蛹からの羽化の試験を6月から行っています。昆虫の世界でいう累代飼育を行っていないからか、温室という閉鎖環境での放蝶に慣れてくれなく、外へと向かいます。25年前にオオゴマダラを試験的に放蝶した時とかわりません。当館では2013年12月にバタフライガーデンの一歩として食草のエノキ、コデマリ、ハギ、ホトトギス、ニオイスミレ、蜜源のクサギ、ブッテリア、クヌギなどを植栽しました。エノキにはゴマダラチョウの姿が時折見えますし、ルリタテハ、ホシミスジ、ツマグロヒョウモンの幼虫、成虫を見かけます。我が家でも、食草があるから時折ナガサキアゲハ、カラスアゲハなどが優雅な姿の飛翔、素早い動きのムラサキシジミ、テングチョウ、ウラギンシジミなどが幸せそうです。今後は蝶にとって自然な形の、緑地そして咲くやこの花館の外部庭園を行きかう姿を楽しめる方向でいきたいと思います。

カマキリの講習会
カマキリと友達に

雲南の蝶

もうひとつ蝶に関して、研究のため雲南省昆明を拠点に中国各地を調査されている生物写真家の青山潤三氏にも教えていただいています。日本、中国の蝶、植物に関しての著書が多く、屋久島の自然3冊、小笠原の自然、山の花の本など15冊以上を出版、東海大学出版の『中国のチョウ―海の向こうの兄弟たち』といった大作や最近ではKindle 版の『中国大陸の花と蝶1,2』など興味深い世界を紹介されています。生まれは神戸ということもあり、当館にもお寄りいただいています。現在大陸のアジサイ類の調査をされていて、一週間前に大陸からのアジサイ類の挿し木もうまくいけば研究、展示用となるでしょう。現在当館では青山氏そして植物写真家の吉田外司夫氏の雲南の花の写真も展示中です。青山氏、吉田氏の現地の話をうかがう度に、元気なうちに私も調査に長期間出たいと気持ちが揺らぎます。

写真展よりカバタテハモドキ(雲南梅里雪山)
写真展よりマルバネムラサキベニシジミ♂(梅里雪山)
写真展よりイチモンジマドタテハ(梅里雪山)

ボルネオの自然を考える

そして特定非営利活動法人のボルネオ保全トラスト・ジャパンのワークショップも人気があります。2000年4月に咲くやこの花館10周年記念の折に、植物園と芸術はどこ迄近づけるかを念頭に、リーダーの池田泰子さんをはじめ東京芸術大学出身の芸術家の皆さんにお願いしました。館内は芸術作品と植物の出会いの場に、NHKの「日曜美術館」でもその様子が流れました。その後は池田さんが動物園でのデザイナーとしても活躍、特に力を注いでられるのがボルネオでの自然保護でもありました。西宮出身、東京に移られていましたが、京都にまで戻られ、今回久しぶりにボルネオの自然保護そして自由研究のトレーディングカードのデザインなどをお願いできました。

ボルネオ保全トラスト・ジャパンのワークショップ
ボルネオ保全トラスト・ジャパンのワークショップ

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