名誉館長の部屋

歴代名人賞特別展示も 2015年秋のハンギングバスケット展

2015.10.15

咲くやこの花館では、第1回ハンギングバスケット展が1991年11月19〜24日に開催されました。熱心な愛好者の方々の支えで今回48回目を迎えることができました。本年は25周年記念の年でもあり、ハンギングバスケット一般応募の方の作品64点の他に、歴代名人賞の受賞者による作品9点も展示されます。
喜ばしいことに今迄の参加者の中にはベテランとなられ、教室などを開かれ、講師など指導者的な立場で活躍されてきた皆様も少なくありません。当館での開催に全面的に力を注いでいただいたのが、バスケットの開発、普及そして販売をされ、茨木市に事務所をもたれていた伊藤商事の伊藤孝己氏でした。1991年2月、伊藤氏からハンギングバスケット懇話会を開くから、ぜひ集まってとお誘いを受け、辻本智子さんがプロデュースされていた篠山のユニトピアに参上しました。そこで見たバスケットは、今迄見たこともないスリット式の製品で、亀甲金網(チキンネット)と水苔でしかハンギングバスケットを作った事のない私には、100年以上世界で誰も考えた事のないアイデア、伊藤氏が発明王に見えました。氏は何か改善すべき点はと尋ねられました。その時気づいたのが白と茶の2色の色でした。そこで、素晴らしいが、目立ちにくい濃緑のものが欲しいですと意見を、即、実行に移されました。ここから始まった扱いやすいハンギングバスケットは、吊り下げる場所さえあれば楽しめ、次々と愛好者を増やしてきました。

 当館での展示会場は最初の数回フラワーホールが使われました。室内という事で観葉植物が多く利用されました。屋外向きのベゴニア、ビオラなどは光量不足で徒長気味、そこで伊藤氏とも相談、以降屋外に変更しました。愛好家の技術向上、新たな植物探しは目覚ましく世界のトップへ向かっているように見えます。当館の展示会で一時期頻繁に使われた植物をピックアップしました。
最初は観葉植物、そしてビオラ、アキランサス、ヘリクリスム・ペティオラレ、ダールベルクデージ、メランポジウム、ユウゼンギク、デモルフォセカ、ブラキカム、コリウス「マーティ」、ジニア・リネアリス「プロフュージョン」、エボルブルス、ランタナ、ラミウム、イソトマ、リシマキア・ヌンムラリア、ベルフラワー、ベアグラス。バコパ、アサギリソウ、ヘンリーズタ、ヘミグラフィス、ハツユキカズラ、イポメア、センニチコボウ、セロシア、モクビャッコウ、コンボルブルス、ヒューケラ、サンビタリア、べロニカ「オックスフォードブルー」、オレガノ「ケントビューテイ」、ユーフォルビア「ダイヤモンドフロスト」、ケイトウ、ウインターコスモスなどと続きます。時代による材料の変化は「好みや入手できる植物の移り変わりなど」によります。

 今年は9月26日に明石で「ひょうごまちなみガーデンショー」のハンギングバスケットやコンテナガーデンなど約400点の審査、その後審査結果のツアーの依頼がありました。また、9月30日には広島市植物公園でもハンギングバスケット、コンテナガーデンの審査依頼がありました。昨年はハウステンボスでハンギングバスケットを見せて貰いました。全国各地をまわると随分と熱心な方が多く、美しい町づくりに一役買われています。

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