名誉館長の部屋

グレートディクスターからの呼びかけ

2016.02.10

Great DixterF-C2

英国で公開されているガーデン約3700ヶ所の中で、注目されているのは、イーストサセックスにあるグレートディクスターでしょう。天才ガーデナーのクリストファー ロイド氏(1921~2006、映画俳優ではありません)の家庭環境、才能そしてガーデンへの熱意により築かれていったものです。今回、このガーデンを管理するペリー ロドリゲス氏と研修生の前川基子さんが来日、ガーデンの見せ場づくりなどを「咲くや塾」(タイトル:英国コテージガーデン&メドウガーデン)で紹介してくれます。 3月5日(土)13:30~15:00です。少しでも多くの方の御参加をお待ちしております。このガーデンは1464年建築の邸宅を中心としたもので、コテージガーデン、ボーダーガーデン、メドウガーデン、トピアリガーデンと種々のイングリッシュガーデンが組み合わさっています。1910年父のナタニエル ロイド氏がこの邸宅を購入、クリストファー氏は母デイジーさんの影響を受け、6歳で庭の植物の様子を母に毎日報告、その手紙は今も残っています。その後ロンドン大学のワイカレッジで装飾園芸を学び、1954年には生家のグレートディクスターに戻り、荒れていた庭を今では有名なガーデンに変え始めました。

クリストファー・ロイド氏と数多くの園芸書の著者、BBCの園芸番組の出演者でもあり、今もって人気は衰えません。1977年に出版された『クレマチス』は私の愛用書のひとつでした。 そのクリストファー氏が1987年10月に私の設計した淡路ファームパークに、カナダのブリティッシュコロンビア大学植物園に勤務していた友人、ケン ハードレイ氏と二人で訪ねて来てくれました。 今回、咲くやこの花館でグレートディクスターについての講習ができないか、前川さんから連絡を貰いました。2006年に亡くなったクリストファー氏には会われたことがなく、逆にどんな方だったか教えてほしいとの事でした。淡路島では少しでも日本の植物紹介をと、園内を案内後、淡路島の諭鶴羽山(607m)へと車で案内をしました。ホタルブクロ、ノバラ、イワタバコなどを見ながら細い山道を行くと、スリリングだったのかキャーキャーと臆病な一面が、今度は天国からグレートディクスターを宜しくとの声が聞こえてきそうです。

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