
春蘭「熊野白蘭」(写真上)
シュンランは日本、韓国、中国などに分布するラン科植物で学名をシンビディウム・ゴエリンギーといいます。自然の中ではなかなか変異株は見つかりません。その多くが薄緑の花で、やさしい和の香りで花の存在を嗅覚にも訴えます。花の色や形そして葉の姿や模様も変異が多く、伝統園芸植物として明治時代から盛んに楽しまれてきました。
出品いただいた178鉢は、当館で寒蘭の展示会も開催していただいている「なにわ蘭友会」の11人の方の丹精込めて栽培されてきた作品です。会長さんのお話では赤色や黄色などを美しく発色させるために蕾が見えたらアルミホイルなどで帽子をつくり、蕾に光を当てないようにするそうです。花色によりその期間は異なり、かなり細やかな扱いと、微妙な期間の違いにより、仕立てられた花色が良くも悪くもなるそうです。
もうひとつ、当館のロックガーデンの周囲はドイツトウヒなど常緑樹で囲まれています。もう20年以上前に数株の普通の花色のシュンランが林床で育っているのを確認していました。それが、今や数えきれない位に広がり、生まれたての子株から十年以上たつ大株までが見られます。自生地でもこのような群生が殆ど見られないのに、この大阪の町中で何が幸いしたのでしょうか。土壌のラン菌との関係もありそうです。ぜひ、春の訪れを知らせてくれる、3月25日(土),26日(日)の春蘭展にお出かけ下さい。講習会や春蘭の販売もあります。
春蘭「春華」
春蘭・芸物「守門竜」
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咲くやこの花館のロックガーデンで増殖する春蘭
咲くやこの花館のロックガーデンで増殖する春蘭