館長の部屋

初めてのティランジア(Tillandsia)展

2017.07.21

ティランジア展が7月22,23日に開催されます。また咲くや塾「ティランジアの魅力と栽培」は23日13:30-14:45に行われます。学名のティランジアに馴染みがなくてもエアープラントといえば殆どの方が植物の異端児のような姿を思い浮かべられるでしょう。

ティランジアとは

学名を実用化したスウェーデンのカール フォン リンネが同国の植物学者エリアス ティルランツ(Elias Tillandz)の名を属名に当てはめました。北アメリカ南部~南アメリカに分布、その自生地は森林、岩場、乾燥地と広範囲でランと共に樹木に着生したり、サボテンの横に育っていたりと種類により大きく異なります。種類数は500種以上それに変種、品種、自然交配種を加えると700種を越えます。ティランジア属はパイナップル科(Bromeliaceae)に属します。咲くやこの花館では150(品)種余りを栽培しています。日本で最多の収集栽培をされている清水秀男氏の管理されている静岡県の熱川バナナワニ園から分譲して貰ったものです。木枠バスケットに植えこまれたティランジアは10年近くでチーク材の枠からはみ出すほど増殖、中には実生で増えた子株までが押し合いになっているものもあります。最後に加わった1株は花宇の西畠清順氏が来館の折にお土産に戴いたコスタリカでの採集品でした。 

ティランジア・アラウジェイ Tillansia araujei
ティランジア・アルベルティアナ T. albertiana
ティランジア・レオナミアナ T. leonamiana

育てる

清水秀男氏は1998年に『ティランジア・ハンドブック改訂版』を出版されています。お会いすると種々の植物に精通されていて、この本もティランジアの普及を願って、上梓されました。380枚ものエクアドル、パラグアイ、メキシコなどの自生地、そして種類毎の写真紹介は参考になります。氏の著書の中に「日本の現状と栽培のあり方」の項目があります。「ほっておいても育つというコピーだけが一人歩きし、ルームアクセサリーとしてのティランジアの大ヒットとなったのです。当然の結果として植物の扱いを受けられなかったティランジアのミイラを大量生産してしまったことは言うまでもありません」植物愛好家の彼は水や湿気そして適度の光を貰えなかった生き物の怒りを代弁したのでしょう。栽培に関しては、前述のように乾湿の違いのほかに夏涼しい高地、冬に暖かい低地などの温度条件も加味が必要です。しかし、多種類の中には最低温度‐3℃、0℃、5℃、霧吹きを週1,2回、明るい場所を確保すれば栽培できるものも少なくありません。現地では0~3300mに見られ、当館では年中屋外栽培の人気者、サルオガセモドキ(ティランジア・ウスネオイデス)のように耐寒性を有するものもあります。一般の植物に比較すると、丈夫な面が多いのでぜひ展示品を参考にして栽培にTryしてください。

今回の展示は館内の熱帯花木室を含めて、約150(品)種、販売は約70(品)種です。また、同時開催で斑入などの珍しい植物の展示販売もあります。

協力は陽春園植物場と船坂農園です。

 

コルクに着生させる
木に着生させる
ヘゴ鉢に植える

生き物として扱う

屋外で育つサルオガセモドキ T.usneoides
ティランジア・レクルバタの種子
網に種子を着ける、すぐに発芽する

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