館長の部屋

宇部市でのフラワーツアー指導と巨木との出会い

2018.04.16

   山口県宇部市ときわ公園にはときわミュージアム「世界を旅する植物館 緑と花と彫刻の博物館」があります。公園内には植物館、UBEビエンナーレ彫刻の丘、そしてときわ動物園などが並んでいます。

   

昨年、久保田后子宇部市長さんと職員が咲くやこの花館に視察に見え、フラワーツアーを宇部でもチャレンジしたいとの意向でした。昨年2月に依頼があり宇部の植物園に伺いました。今年はツアー担当のコンシェルジュの方などが研修に見えました。この2月には講師依頼があり、ボランティアの方40人余りが研修に集まるというので出かけました。予定では3人のコンシェルジュと100人余りのボランティアでフラワーツアーを行うと話をされました。研修ではツアー催行に当たっての心得、そして主要植物の親しめる案内法をスライドで紹介しました。その後リニューアルされた園内を植物毎に解説をして回りました。昨年は工事中でクローズされていましたが、「世界を旅する植物館」の名で、世界の地域別展示を強調されていました。アフリカゾーンではバオバブをシンボルツリーに、南アメリカではサボテンのキメンカク、北中アメリカではブリンチュウ、オセアニアではボトルツリー、ヨーロッパでは太いオリーブ、中国、アジアゾーンではハンカチノキ、熱帯アジアゾーンではゴムノキの仲間バンヤンツリーをシンボルに、そして熱帯アメリカではトックリキワタ(パラボラッチョ)が堂々とした姿で迫ります。世界各地を植物で巡れる!をコンセプトにされています。これは時折咲くやこの花館に訪ねて見えた末広雄次元園長時代からの懸案だったのでしょう。

    また、サボテンのスペシャリストの伊藤芳夫先生(1902-1992)が収集されたサボテンもこの植物園で健在です。先生が宇部市の方だったと教えて貰いました。先生は多数の書物を著わされていますが、中でも『サボテン科大図鑑-266属とその種の解説―』(1988)は厚さ数センチの大作です。宇部市の立派にリニューアルされた植物園、気になる巨木も点々と、実は市民の寄付により「そら植物園」の西畠氏から購入したそうです。寄付者の紹介が掲示されていました。ボランティアの人数やレベル、寄付者と言い驚かされました。ボランティアの方の中に故郷の宇部で子育て中の中村美代子さんの姿がありました。10年以上前、淡路の夢舞台園長の辻本智子さんの依頼で、数カ月間咲くやこの花館で栽培の研修をされました。また、元天王寺動物園園長の宮下実さんも動物の手術の合間に駆けつけてくれました。氏は大阪市を定年後、近畿大学の先生、そして現在はときわ動物園の園長をされていています。一時鶴見緑地でバードケージ計画があり、同じ場所で仕事をしていた事もあります。短時間でしたが宇部市で同窓会のような雰囲気になりました。

 宇部市では市長さんを先頭に職員の方々も大切な施設を盛り上げようと努力されています。店で売られていたお菓子にも驚かされました。バオバブの実はラムネ菓子のような味がしますが、その粉末入りのオリジナルクッキーが菓子屋さんの手で作られ販売されていました。

指導に行ったつもりでしたが、色々と学ぶことがあり、一番強烈な印象は直径1.8m以上のトックリキワタでした。咲くやこの花館のものは花も実も沢山つきそれなりに美しいものですがスリムで、この植物園のものはどう見ても植物とは思えない岩のような大きさの巨木でした。先月西畠氏が来館された時の話では、アルゼンチンとボリビアの国境辺りに育っていたもので、5本購入、うち2株だけを飛行機に乗せて持ち帰れたとのことでした。重さ4~5トンの巨木だけにNHKも現地で取材をしたそうです。どのくらい乾燥状態に置かれ、何年生き続ければこんな巨木になれるのか、今までスリムなトックリキワタしか目にしてなかっただけに「とても気になる木」でした。

 

 

 

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