名誉館長の部屋

青いケシ、咲くやこの花館始まって以来の大群落に

2018.05.03

 

今、高山植物室のドアがひらくと・・・・、目に飛びこんで来るのはブルーの世界、気分が落ち込むのではなく、歓声をあげたくなるような沢山の高山植物が、目に飛び込んできます。チベット、ネパール、ブータン、シッキム、アッサム、雲南、四川のチベット人たちが住む裏山の世界です。100株をこえるメコノプシス、いわゆる青いケシの仲間が所狭しと、現地にもない群生です。メコノプシスでもベイレイ系、グランディス系を主に、ホリデュラ系、インテグリフォリアなど変化にも富んでいます。また、アッサム原産のユリの仲間リリウム・マクリニアエ、雲南のユリに近縁のノモカリス、ヒマラヤのシャクナゲそしてラン科のアツモリソウ類やタイリントキソウ類のプレィオネ・アウリタなど花盛りです。

 

ヒマラヤやチベットなどの花々が

青いケシの環境などを見にチベット、ネパール、シッキム、雲南、四川に出かけましたが、約70種あるメコノプシス、群落で見ることは殆どありません。標高3500m以上に点々と見られます。しかも、種類ごとに別に見られ、入り交じることは少ないです。自然に溶け込まないブルーは遠くからでも目立ちます。花は横向きに咲きますが、天気が悪いとやや下向きになるのが観察されます。そしてこの青空のブルーに気づいた花粉運びを手伝ってくれる虫は、立ち寄ってくれます。花の傘の下は雨宿りもできるし、温度も少し高いのが知られています。高い山の昆虫は少しででも暖かい場所に立ち寄ります。温室植物と呼ばれるダイオウの仲間レウム・ノビレは4000m以上に見られますが、花を包む半透明の苞の中は、7,8℃外気温より高い状態になります。

雲南のノモカリス・ファーレリーNomocharis farreri
アッサムのリリウム・マクリニアエLilium mackliniae
四川で採集の野生のバラRosa sp.

高山病にもならないで

そんな過酷な条件下に咲く花々が、高山病にもならない大阪で心行くまで見ていただける、結構贅沢な世界がひろがっています。

 

GW中は館内フラワーホールでは熱帯フルーツ展も開催、普段口にできない料理バナナの試食や生きた果樹と果実を見ながらのライブ解説など盛りだくさんの楽しみ方があります。

是非、この機会にお出かけ下さい。

 

雲南のプリムラ・アウランティアカPrimula aurantiaca
雲南のプレィオネ・アウリタ(ラン科)Pleione aurita
雲南等のアツモリソウ(ラン科)の仲間シプリペディウム・フラブムCypripedium flavum

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