連日の猛暑の中、皆さまお元気でお過ごしでしょうか。咲くやこの花館では夏の催し物、「虫を食べる植物展」が7月3日にスタート、7月14日より「世にも不思議な植物スタンプラリー」が、池田泰子さんの素敵な植物イラスト台紙を利用して、楽しめます。ラリー完了者にはカラフルな絵葉書のプレゼントが待っています。期間中毎日3回開催の食虫植物ライブも賑わっており、14日には1回目の食虫植物観察教室が開催され、食虫植物大好きの子供さんに捕虫法、実物観察、自生地や栽培法を紹介いたしました。
咲くやこの花館の食虫植物教室
6月18日朝の「大阪北部地震」、西日本の「平成30年7月豪雨」、現在続いている猛暑と、短期間に自然災害が次々と起こっています。被災された皆様にはお見舞いを申し上げるとともに、被災地の一日も早い復興をお祈りいたします。また、「大阪北部地震」の際にご心配いただいた皆様にお礼を申し上げます。
先月、日本植物園協会の総会が6月19~21日に広島市植物公園の担当で開催されました。3日間の総会、勉強会、最終日には植物園のバックヤードを含めた見学会、「被爆樹木について」の公開シンポジウム等が開催されました。19,20日には日本植物園協会の総裁を務められている秋篠宮文仁親王がご臨席されました。お言葉では「植物園の役割について展示や保護だけではなく、人々の生活に色々貢献している」ことを強調されました。そしてお目にかかった際、開口一番、「大阪北部地震」の被害をたずねられました。幸い大きな被害もなく開館していることをお伝えしました。(冷房の補給水配管などに被害が少しありました。)また、巨木のお好きな親王、4月に寄贈されたパロボラッチョ(ケイバ・インシグニス)のこともお話ししました。「それは!?」と興味を持たれましたが、話が長くなりそうだったので、すでにこの木を見られている随行の日植協会長の岩科司氏に、後ほど御説明いただくことでお別れしました。
広島市植物公園は大温室(1975年、2186㎡)のリニューアルが済み、植栽の殆どが入れ替わりました。耐震性の強化、天窓の網入りガラス化、暖房用配管の入れ替え等から通路変更、造園のやり直しなど、新築以上に手間がかかった部分もあったでしょうが、コスト的には新築、リニューアルの検討の結果後者が有利だったそうです。
広島市の大温室内で注目されていたのが巨木、オーストラリアバオバブ(Adansonia gregorii)で、2017年に宝塚山本の薔薇園植物場が輸入、植栽したものです。直径が想像を絶する2mもあり、高さはツボの部分が約3、5m、重さ約5,6トン、推定樹齢400年、西オーストラリアのキンバリー地方で開発のために行き場を失っていたそうで、広島の有名な団から寄贈を受けたそうです。明るく広々としている温室を新天地として元気に育つことでしょう。周囲には同郷の植物が植え込まれ、店にはバオバブTシャツが並べられ、職員の方々の気遣いや歓迎ぶりがうかがわれます。2015年にハンギングバスケットの審査のため訪問したリニューアル前、そして今回のリニューアル後、園内には工夫されたところが随所に見られ、魅力づくりの努力に感激しました。そして今回の総会開催と、広島市植物公園の皆様には感謝しきれません。
日植協の交流会では新しいメンバーが年々増えていく中、懐かしい人との出会いもありました。35年前兵庫県農林水産部農産園芸課で私が淡路島の植物園の設計をしていた時に、同じ課で仕事をしていた若手の石田均さん、「今年、兵庫県フラワーセンターの園長になりました。やっと植物の世界にはいれました。今後とも宜しく」と、35年ぶりの再会でした。昔、フラワーセンターの海外旅行で私も添乗員になり欧州に出かけた際、参加メンバーに何人かの広島市植物公園の方に加わっていただきました。そのおひとり、現在植物園で栽培・展示の係をされていますが、広島市市役所に転勤時、2014年8月に広島豪雨があったそうです。当時担当でもあり、災害復旧にも大変苦労したとの話をうかがいました。
その話から約半月後、広島をはじめとした地域に豪雨とそれに伴う大きな被害を再度もたらされました。頻繁に起こる自然災害、ご不便な生活が一日も早く終わることをお祈りします。