館長の部屋

フニーバオバブが昨年より早く咲きそうです

2018.07.25

 今年もフニーバオバブの開花シーズンになりました。7月下旬から8月中旬、19時過ぎに開花をするこのバオバブ、20-30分の短時間でソーセージ状の蕾が同じアオイ科のハイビスカスの花のように開く動き、目前で繰り広げられるドラマティックな姿をぜひご覧いただきたいと思います。今年は、確認できただけで、30個に近い蕾があります。昨年はお盆頃が見ごろでしたが、今年は高温が続いたためか成長が早く、7月23日現在大きな蕾で長さは55mmほどあり7月末から8月初旬が花期と予想され、少し早まりそうです。当館HP(掲載済み)や電話でご参加の可能な日を登録いただきます。開花の見込みの夜間開館日に該当の皆様にご連絡差し上げる方式です。開館日にはバオバブの種子、樹皮、ロープの展示、近接によるフニーバオバブの蕾から開花までの録画での紹介、バオバブの種子を覆うパルプのパウダーの試食などがあります。また、館内ツアーで夜間の植物の様子もご覧いただけます。

当館のフニーバオバブは1988年、進化生物学研究所理事長で東京農業大学教授でもある近藤典生先生がマダガスカルから導入されました。

(先生はマダガスカルの将来を考え、ボランティアサザンクロスジャパン協会を立ち上げられマダガスカルでバオバブの育苗、植樹など保護活動、啓蒙活動も行われました。)

到着後フニーバオバブの根元は腐り始めましたが、幹の腐れ部分を切り取り、再生させました。そして2006年に国内で初めて開花をさせました。

以降毎年のように咲いていましたが、2014、15年は蕾ができたものの開花を見ませんでした。2016年以降、再度沢山の花を着けるようになりました。

京都府立植物園では大きなアフリカバオバブ(Adansonia digitata)やフニーバオバブが栽培されています。ここでもフニーバオバブが2016,2017年の7月には

少数ですが咲き始めました。花粉の交換で種子の結実の可能性もでてきました。

 

バオバブはアフリカ本土やアラビア半島に4倍体のアフリカバオバブAdansonia digitata が見られます。『星の王子さま』(サン=テグジュベリ著)に登場するバオバブは本種を指すのでしょう。またアフリカバオバブの標準的な祖先型と考えられる2倍体のものがアフリカ南部、東部の高地に見られ2012年以降アダンソニア・キリマ(Adansonia kilima)と呼ばれています。 .

マダガスカルはバオバブの分布の中心地で6種分布します。そしてオーストラリアに1種オーストラリアバオバブ(Adansonia gregorii)が見られます。アフリカ(含むマダガスカル)、オーストラリア、インド半島、南米は一億数千年前には南半球に存在したゴンドアナ大陸で、地続きでした。マダガスカル付近で誕生したバオバブはのちの大陸の移動により現在の隔離分布となったようです。

 

(写真下 2018.7.23 フニーバオバブの蕾)

2017年8月のフニーバオバブの開花状況

夜間の開花直後
開花翌日の昼間の状況
蕾の調査にバオバブに登る植物担当の村井康宏氏

蕾から開花まで(2017年8月)

少し開花
80%ほど開花

バオバブ関係

フニーバオバブの果実
バオバブの樹皮とバオバブ製ロープ
バオバブパウダー(味見用)

夏の夜の植物観察

1  サガリバナ Barringtonia racemosa             

  <熱帯雨林植物室> サガリバナ科 原産地:奄美以南、東南アジア  

 マングローブや川に沿って生える事が多いようです。夕方5時頃から花を開花させます。西表島ではカヌーで水に浮かぶ花ツアーを夜明け前に楽しんでいます。

 

2ニンファエア・ルブラ及び同系品種Nymphaea rubra&cv.

<ロータスガーデン> スイレン科  野生品原産地:インド 

 赤花の熱帯スイレンで夜咲です。他の熱帯スイレンが夜花を閉じるのに対して、昼閉じて夜開花します。原産地での花粉媒介が夜行性昆虫によるとされます。 

 

3オオオニバス、パラグアイオニバス Victoria amazonica,V.cruziana

<ロータスガーデン、前池> スイレン科  原産地:南米 

 夕方良い香りを出して開花します。原産地では甘い香りでスジコガネのような昆虫を誘い、一晩目は花に閉じ込め花粉まみれにして他の花に花粉を運んで貰います。また、系統的に離れた株の花粉を運んできて貰い種子を実らせます。2日目夕方には花はピンクがかり、3日目には傷んでしまいます。

 

4ミズオジギソウ Neptunia oleracea

<ロータスガーデン>マメ科 原産地:世界の熱帯 

 葉に触れたり夜になると葉を閉じます。閉じるのは動物などの食害を防止する働きがあります。オジギソウMimosa pudica   に似て水の中で育つところからミズオジギソウの名前が、カイジンソウ(海神草)の名前もあります。東南アジアでは野菜として扱われます。葉の葉沈部分の細胞の膨圧の変化で閉じます。

 

5カラテア・ピクツラタ Calathea picturata

<熱帯雨林植物室> 原産地:ブラジル  

 クズウコン科の植物、夜間には葉が立ち広がりがなくなります。

 

6カリアンドラ   Calliandra sp. 

<熱帯花木室>マメ科 原産地:南米

 他のマメ科植物同様に葉の付け根の膨圧の関係で閉じます。

 

7フイリソシンカ Bauhinia variegata 

<熱帯花木室>マメ科 原産地:中国南部

   夜はマメ科でよくあるように葉を二つ折りにしています。

 

8ヤコウカ  Cestrum nocturmum  

<熱帯花木室> ナス科 原産地:西インド諸島 

 花は夜に良く匂います。当館の株は19時15分以降です。ヤコウカ(夜香花)やヤコウボク(夜香木)の名前で有名。混同されるのがイエライシャン(夜来香)です。

 

9ニオイバンマツリ Brunfelsia australis

<熱帯花木室外>ナス科、原産地:ブラジル、アルゼンチン

 花は紫から徐々に白に変化します。夜にとくに香が強くなります。茉莉はジャスミンのことですが、匂いを

例えているだけで、ジャスミンはモクセイ科で別物です。大阪付近では屋外でも栽培できます。

 

サガリバナ
ニンファエア 熱帯スイレン(夜咲き品種)
ニンファエア 熱帯スイレン(夜咲き品種)

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