京の街のまんなか、京都寺町美術通りの愛称のある寺町通りに面して、明治24年(1891年)創業の芸艸堂(うんそうどう)は店舗と版木用倉庫を構えてられます。そこには版木がぎっしりと、10万枚はあるだろうと、その中に最近復刻された「蘭花譜」12枚の版木も積まれていました。倉庫内をよく見ると、他にも花の版木が見られます。現在も花の木版画として販売されているもので、河原崎奨堂氏他の原画によるものだそうです。落款印で奨堂というのを思い出しました。45年前に、京都で入手、イギリスのキュー植物園で活躍されていたオーストラリア人のボタニカルアーティストのマーガレット ストーンズ(Margaret Stones)さんや、プラントハンターのジョージ シェリフ(George Sherriff)さんの奥さん、ベティ シェリフさんにプレゼントした木版画がまさにこの方の絵の版画で、芸艸堂のものだったのです。
芸艸堂の井上孝一様、早光照子様に案内、解説をしていただき、筆で描くより手間のかかるものもある木版画の奥の深さと、日本人の細やかさには驚かされました。