館長の部屋

2019年も盛りだくさん

2019.01.02

あけましておめでとうございます。

2019年、皆さまのご多幸をお祈りいたします。

咲くやこの花館では職員一同、大切な地球、自然の大切さ、素晴らしさ、

不思議さを多くのみなさまにお伝えできることを喜びとして頑張っていきます。

1月5~11日は、「植物園でしかできないお正月の過ごし方」と称して、ホールではアルソミトラ(ハネフクベ)の種子を高さ約20mから飛躍の年を願って飛行させます。

 

 

 

   ランプーラ(タウベ)1910年

飛躍の年を

アルソミトラ(ハネフクベ)Alsomitra macrocarpa

ウリ科のつる性植物で、雌株のつるが数十mに伸びると樹上に頭ほどの果実をつけ、その中には数百枚の種子つきの羽根ができます。底に開口部ができ、1枚ずつ親株から離れた場所に飛行していきます。1m下がると4mほど水平に移動するそうで、この種子付き羽根の構造を参考に、1910年にボヘミア(現在のオーストリア、ハンガリー)でエンジン付きアルソミトラ型飛行機が完成、飛行に成功しました。

ランプーラ(タウベ)1910 性能 

乗員:2名

  • 全長:8.20m
  • 翼幅:13.80m
  • 翼面積:32.0m²
  • 空虚重量:600kg
  • 総重量:910kg
  • エンジン:アルグス発動機製4気筒またはメルセデス製E4F型6気筒
  • 出力
    • アルグス製:74kW
    • メルセデス製:100kW
  • 最大速度:120km/h
  • 航続時間:4時間
  • 高度:2,000m

 

出典:木村秀政・田中祥一『日本の名機100選』文春文庫

 

飛行機のヒントになったアルソミトラの種子
ヘルメット状の莢から種子が次々飛行
木製の玩具でお正月は

「POPなきのこ展」は1月12~27日に初開催されます。

日本では「きのこ」と言えばアカマツ林で採取されるまつたけ、栽培されるしいたけ、しめじなどの十数種が食用として良く知られていますが、実は300種余りが食用となるそうです。約2500種の「きのこ」が知られ、未知種がその2倍以上もあります。毒性は人の体調などにより変わるものもあり、解明されていない部分が多い世界です。「きのこ」は、特定の菌類の中でも、肉眼により確認できる傘など子実体を持つものの俗称です。定義づけはともかく世界各地でのきのこ人気は想像以上です。当館での植物の切手展の際に、蒐集した約5000枚の植物切手を整理していて気づいたことですが、日本ではしいたけなど僅かな「きのこ」しか切手に描かれていませんが、海外では沢山あることでした。「きのこ」の採取による経済効果も雲南やチベットでは大きく、日本のまつたけとDNA上極めて近い雲南のまつたけは大量に日本へ、チベットのしねんしすとうちゅうかそう(シネンシストウチュウカソウ)は「冬虫夏草」として有名で、抗がんや強壮効果、薬膳料理にも使われます。やや古いデータですが、チベットでは288億円もの収入に、農業、畜産業、林業の第一次産業の42%にも当たります(2004年)。日本でもきのこ人気が広がってきています。親しみやすい催し物として当館の職員岡内美紀主任を中心に、各地の博物館等の協力を得て「POPなきのこ展」を準備中です。

きのこの乾燥標本も
菌界で子嚢菌門(まつたけなどは担子菌門)に属す冬虫夏草、チベットの青いケシの自生地付近で標高4000m前後
雲南省中甸ではまつたけが大量に採取されます。

新規催し物やリニューアルも

2月17日(日)からの昆虫教室のリニューアル

昆虫科学教育館代表の久留飛克明氏、そしてカマキリ先生こと渡辺宏氏、蝶先生こと古橋紀子さんが繰り広げる昆虫をはじめとした自然界のエクスパートづくりが、2018年1月より月1回程度で始まっています。親子で学べる微笑ましい教室風景となっています。

今までのフィールドでの観察の他に、昆虫の飼育方法を学び、帰宅後連続的に観察ができる教室も加えました。詳細はHPを参考にして下さい。

 

ハワイの植物展は6月4日~23日に開催します。今までは展示室での解説になっていました。今年は温室内でハワイ関係の植物を間近に見ながら、分かりやすい説明でその全体像、重要さを紹介させて貰います。

7月からの夏の催し物は例年の「虫を食べる植物展」の他に、ボルネオの生物を紹介した写真展をネーチャーフォトグラファー、阿部雄介氏のご協力で開催します。また並行的に画家の池田泰子さんのご協力で熱帯の自然保護のワークショップなどを開催予定です。「種子の知られざる姿展(仮)」では植物の進化は種子によって起こるにつなげます。かたくなに生き延びる植物の姿を種子で紹介させて貰います。

 季節と共に入れ替わる世界の植物、一部を紹介させて貰いましたが、2019年も多くのみなさまに助けられて、興味深い催し物が続きます。

ご来館をお待ちいたしております。

 

 

ボルネオの自然がわかる写真展も
ボルネオの自然保護につながるジオラマ作り
タビビトノキの種子の表面は運搬役のキツネザルの好みの色に進化

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