正月は洋風のクリスマスの飾りから一転和風の景色になります。その正月飾りの植物の原産地が意外な場所に!
2019.01.07
正月は洋風のクリスマスの飾りから一転和風の景色になります。その正月飾りの植物の原産地が意外な場所に!
ハボタンはイギリス、フランスの海岸近くのケールが改良されたものだし、門松のモウソウチク、ウメそしてナンテンも中国原産、追求していくと何が和風なのか分かりにくくなります。水郷の町福岡県柳川市で「第一回水のまちシンポジウム2019」が1月26,27日に開催されます。私も「都市の中の自然と庭園」のタイトルで1時間の基調講演を頼まれました。その中にも和風の要素の見直しなども含んでいます。植物の世界には興味深いテーマや話が無数にあります。
昔からシクラメン・ペルシクムの園芸品種が冬から春の花としてもてはやされてきました。このペルシクムの花にはやや油臭いにおいがあります。また、野生種を栽培していると、イタリア周辺に見られるシクラメン・プルプラスケンスやキプロスのシクラメン・キプリウムには良い香りがあるのに気づきます。11月12日に朝日放送の取材がありました。番組「キャスト」の中でシクラメンの香りについての疑問に答える場面がありました。内容は、布施明さんが小椋佳氏作詞作曲の「シクラメンのかおり」を歌ったのが1975年、シクラメン・ペルシクムのあまり良くない香りしかないのに何故?というので大阪の花屋さんそして野生のシクラメンを育てる当館、最後にアナウンサーは東京に小椋氏を訪ねて質問をするという筋書きでした。結論から言うと、小椋氏は笑みを浮かべながら、まさか人気がでるとは思わないで、余り深く考えないで作詞しましたと答えられていました。1975年大ヒット、ミリオンセラーとして布施明さんと共にシクラメンの名が広がりました。それから43年以上たちましたが、実は今から10年ほど前に埼玉県農林総合研究センターの園芸研究所が世界ではじめて芳香シクラメンを作出したのです。21種ほどの野生のシクラメンは、種類により染色体数が異なり、なかなか種間の雑種ができません。そのような悪条件を無菌培養で未成熟の胚珠培養と染色体倍加の技術を使い、新品種を作出しました。前述の良い香りのプルプラケンス(2n=34)とペルシクムの園芸品種(2n=48)を利用して「バラとヒヤシンスを合わせたような芳香」で売り出しています。現在当館ではこの香りの良いシクラメンに、両親でもある2種のシクラメン(春咲きで現在は葉のみ)をご覧いただけます。(2019年1月)
野生種のシクラメンの展示販売会は2019年2月22~24日に、また23日(土)13時30分からはシクラメンの専門家横山直樹氏により「原種シクラメンとクリスマスローズの魅力と栽培の秘訣」のタイトルで咲くや塾が開催されます。
爆発する植物は?」というので、朝日放送「探偵ナイトスクープ」の取材を受けました。必要だったのは完熟状態のガマの種子、つまりガマの穂でした。ガマは珍しい植物ではなく、北海道から九州まで、そして欧州までの北半球に広く分布しています。当館のバックヤードには丁度頃合いの良い穂がありました。雌雄同株で、茎の先端に花穂をつけます。上部の雄花穂は下部の雌花穂と離れず、雄花穂は雌花穂とほぼ同長で長さ3~12cmです。果実は披針形で袋果、細長い柄があります。柄の基部に白色の長毛があり、風で飛散します。果皮は透明で、水中で縦に割れて長さ1mm程度の種子を1個放出します。果実が熟すと自然でも爆発状態になり、タンポポのようにあちこちに飛んでいきます。放送ではカンニング竹山探偵がガマを依頼人とともに探し実演するものでした。爆発の様子の面白さが紹介された番組でした。