名誉館長の部屋

一足早い春が咲くやこの花館に

2021.02.21

魅力の植物、各地から

恒例のクリスマスローズ、原種シクラメン、山野草、茶花などの展示即売会は、昨年は急遽コロナの影響で中止になりましたが、今年はコロナ対策を十分に行い、2月26日(金)~28日(日)に開催することになりました。東京の横山直樹さんには、車にクリスマスローズ等を積んで外部との接触の少ない方法でお出でいただき、咲くや塾(現在キャンセル待ち)でお話もいただきます。会場は参加いただく方の三密を避けるために人数制限を行わせて頂く場合があります。クリスマスローズは、横山さん他に数ケ所のナーセリー(生産者)からの鉢物が集まります。横山園芸、陽春園植物場、船坂農園、石黒紅葉園、英国シクラメン協会日本支部のみなさまのご協力をいただきます。お楽しみに。

種々のクリスマスローズの品種が
長期間味わいのある色彩を楽しめます。
選ぶ楽しみを会場で

暖かい温室で楽しみ方色々

ロータスガーデンでは熱帯スイレンの花が、ランコーナーではカトレアやガジュマル周辺ではレリア・アンケプスが今を盛りと無数の花を着けています。熱帯花木ではカリアンドラがネムノキのような花を、サボテン類の花も徐々に種類数を増し、春の近づきを伝えてくれます。高山植物室ではトルコのシクラメン・コウム、野生のスイセン類などが楽しませてくれます。

レリア・アンケプスの花盛り
マミラリア・ラウイ’ノビロ’はメキシコ原産、ラウイはドイツ人の神学者で植物学者のアルフレッド B.ラウ氏に因み、当館にご来館いただいたこともあります。
トルコ原産のシクラメン・コウムの群生、40~―20℃に耐える丈夫なシクラメン

耐寒テストも行っています。

熱帯雨林植物室に沿ってある屋外ガーデンのトロピカルガーデンでは、熱帯の植物のように見える植物たちが露地で育ち、やや不思議な世界で、耐寒性の観察ができます。ヤタイヤシ、クロツグ、アコウ、オーストラリアのビカクシダ(プラティケリウム・ビフルカツム)、ブドウの巨峰のような実が幹になるジャボチカバ、美しいランのデンドロビウム・ハンコッキーなどが元気に育っています。耐寒性がギリギリの種類では、植物の上部が霜よけになる木の葉などで覆われていると傷みは見られませんが、はみ出すと茶色くなるピレア、オオタニワタリなどがあげられます。今迄大事な植物ということで、枯死の心配や可哀そうで耐寒試験ができなかった熱帯系、熱帯風植物でも自生地が標高の高いところなどで、試すと意外に寒さに強いケースがあります。トロピカルな庭を大阪に似た温度条件で造園される場合の参考にして頂けます。

アコウの木の幹で育つプラティケリウム・ビフルカツム
耐寒性のあるジャボチカバ、果実は甘くて巨峰の味です。
他の植物の葉の下で霜よけになっている場合は大丈夫なピレア、はみ出すと葉の傷むオオタニワタリ、恐竜時代のオーストラリアの針葉樹、ウオレミパインは寒さに強いです。

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