名誉館長の部屋

次ぎ次ぎと花を咲かせる

2021.04.19

青いケシ群れ咲く

咲くやこの花館の高山植物室では、青いケシ(メコノプシス)が咲き始めました。今からGWにかけて群れ咲きます。また周囲にはヒマラヤ、チベット、雲南などのシャクナゲやプリムラも咲き競い、秘境へ楽々たどり着きます。今回の青いケシはメコノプシス’シェルドニイ‘という交雑品で、メコノプシス・ベイレイ(ベトニキフォリア)とメコノプシス・グランデスが栽培中に交雑したものです。青いケシの仲間は70種類ほどあり、雲南、四川、チベットの現地採取の種子や標本の種子をまいたりしてきましたが、発芽をしてある程度まで苗が育ちますが、冷房室内でもうまく育たないケースが殆どです。欧米の栽培適地でも、現地の種子では育ちにくく、交雑したものが、雑種強勢の原理により、種々の遺伝子を持つ株が出現、弱い株は消え、丈夫な株が生き残り、選別が自然にかけられます。その作りやすい系統のものが利用されています。’シェルドニイ‘もそのひとつです。青いケシの仲間で背丈が2m以上になる、黄色の花のメコノプシス・ネパレンセなどにも雑種ができ、イギリスではそれが主に生き残り栽培されています。

ヒマラヤ、チベット、雲南、四川の植物と共に花咲くブルーポピー
プリムラ・プルベルレンタは四川のサクラソウ
ロドデンドロン・スプラヌビウムは雲南のシャクナゲ

ハンカチノキが咲き始める

、高山植物室の外部庭園では、四川省などの山岳部に自生するハンカチノキの花が咲き始めました。

ハンカチノキの葉からの香りは独特で、ガス漏れと間違えるとか臭いとか苦情に近い話が出て折角の珍しい樹木が切られてしまう話が各地にあります。その成分は調査がされています。葉を傷つけないようにフラスコに入れ密閉、放出される揮発成分をSPME方式で確認します。この方式はガスクロマトグラフィーにより成分を分析する方法で、環境、食品、医薬品、香料の試験に使われます。これによると、多くの植物に含まれる青くさみのcis-3-ヘキセノール(青葉アルコール)、強い若葉の香りの酢酸cis-3-ヘキセニル、リンゴに近い香りのtrans-2-ヘキセノールなどの青葉アルコール類が抽出されたそうです。青葉アルコール(leaf alcohol)の代表は緑茶の香り成分です。前述の成分のひとつひとつはガス漏れには思えません。しかし合わさると若い人には嫌われる香りになります。(年を重ねるにつれて良い香りと感じる傾向がありますが。)また、この香りの成分にアレロパシー(allelopathy)という他の植物の生長を抑える作用の可能性があり調査がされています。酢酸cis-3-ヘキセニルの香りがホワイトクローバーの幼苗の生育に顕著な抑制力があるのが分かりました。アレロパシーはヒガンバナ、ヨモギ、セイタカアワダチソウ、針葉樹などにもあり、光の取り合い競争を避けるために他種や時には子孫までも寄せ付けない物質を出します。ハンカチノキの香りは他の植物を寄せ付けないのが目的でした。ハンカチノキには一才性の品種‘レノマ’があり、成長は遅いですが背が低い状態で花をつけ狭い場所でも楽しめます。

 

バラは一番人気ですが、その中でも珍しいイランから中央アジアに分布する黄色のバラ、学名はフルテミア・ハルディ(ロサ・ハルディ)が開花しています。高温多湿の嫌いなバラで、余り栽培されていない種類です。

花らしくない筒状の仏炎苞を立てているユキモチソウの群生に山草好きの方は注目されるでしょう。マムシグサの仲間では世界的に見ても一番エレガントな種類で、四国では里山でよく見かけます。面白い性質があり、栄養状態が良いと雌株になり種子をつけ、悪いと雄株になり花粉を出すだけです。

ハンカチノキは例年より早くに咲き始めました、
ユキモチソウの苞がエレガント
乾燥地のバラ、フルテシアが開花、大阪ばら祭は当館で5月7日pm~9日

熱帯植物も花爛漫

ロータスガーデンの熱帯スイレンも黄、紫、白と色とりどりです。夜咲き種でインド原産のニンファエア・ルブラの系統の赤い蕾も美しく闇の世界になるのを待っています。

ハイビスカスワールドではハワイのヒビスクス・ワイメアエやヒビスクス・アーノッテイアヌス、モーリシャスのヒビスクス・ゲネビーなど野生種、そして様々な色や形の園芸品種を観察したり、観賞したりできます。

次ぎ次ぎと花を咲かせる花々を、コロナ感染対策をしてご覧ください。

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熱帯フルーツ展予定会場のキーツマンゴー

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