名誉館長の部屋

咲くやこの花館の紹介が続きます。

2022.03.23

旅の月刊誌「ひととき」3月号に咲くやこの花館が

「読むたび、新しい旅」を提供する旅の月刊誌「ひととき」は東海道・山陽新幹線のグリーン車に搭載されているほか、全国の書店や新幹線駅の売店、ネット書店で入手ができます。今回ご案内をさせていただいたのは植物学者の塚谷裕一教授(東京大学大学院理学系研究科)で『スキマの植物図鑑』など多数の著書、F.キングドンーウォード『植物巡礼 プラント・ハンターの回想』などの翻訳本、TVでは「又吉直樹のヘウレーカ」に何度も出演されていて、以前よりどこかの山ででも出会えるのではと楽しみにしていた方でした。今回の特集は「植物の不思議」のテーマに従い、当館と東京大学大学院理科系研究科附属植物園の小石川植物園の2か所が選ばれました。館内を巡ると話題は尽きないので、ライターさんがまとめに困られないように、できるだけ分かりやすく興味深い植物を選んでいきました。「ハイビスカスワールド」では、野生種が家畜の食害などで絶滅危惧種が多いとの話に、オーストラリアのヒビスクス・インスラリスに言及、「世界で最も貴重な植物」と現地では紹介されていますが、花博時に現地の植物園や当館で播種したものが、また各地の植物園などに渡り安心できる状況になっているのを紹介しました。そしてこのハイビスカスなどオーストラリア原産の樹木の多くが若い時の葉(幼葉)と成長した時の葉(成葉)があり、別種のように違うことも少ないことを話題にしました。塚谷先生は「日本でもヒイラギの葉は若い時にはとげがありますが、年を取ると丸くなる。幼葉と成葉の形が異なる『異形葉性』の例ですが、このハイビスカスのように極端に違うものは珍しい」と語られました。ふたりのやりとりから「植物の知られざる生態が次々に明らかになる。」とライターさんは記事に加えられていました。それを裏づけるように当初2時間程度の取材が6時間余りに、暗くなり始めた頃東京へと戻られました。塚谷先生とは初対面なのに旧友のような状況で、先生の今後の研究課題であるアリ植物に関する乗り入れをしようとの前進もありました。

「ひととき」3月号
「ひととき」に紹介されたヒビスクス・インスラリスの不思議
南米アマゾンの湿地に見られるオオオニバス、名前はハスだがハスの仲間ではなくスイレンの仲間であることが話題に。

パラゴムノキが人気者に 2022年3月8日放送  23:59 - 0:54 日本テレビ 超無敵クラス

<超無敵クラフト部》 超無敵クラフト部=<ク>、咲くやこの花館=<咲>

始動!!スマホ頼りにゼロからモノ作り!!手作り鉛筆&消しゴムを制限時間内に作れるか!?

 

消しゴムチームは。

<ク>何が材料なんやろ。>>まずは材料を検索。>>プラスチック製の消しゴムの主成分は、塩化ビニール樹脂。プラスチック製なんだ

>>さらに消しゴムの歴史をたどると。>>消しゴムの材料は、ゴムが中心です。

>>ゴムの木からとった生ゴムを、まず十分に練り合わせます。

そこに硫黄や植物の油などいろいろ混ぜて、なるらしい。

>>プラスチック消しゴムが誕生したのは、およそ70年前。日本の企業が先駆けて開発。しかし、それより200年近く前、世界で初めて作られた消しゴムの原料は天然ゴム。昔の消しゴムなら、プラスチックより作るのも簡単なのでは?そこでねらいを変更。>熱帯、植物園、全国って調べました。大阪になっちゃうんですけど、咲くやこの花館。なんか、日本最大級の大温室。>>期待が高まりますね。>>そこで早速。

<咲>こんにちは。>>お世話になっています、広報担当の岡内と申します。
<ク>こんにちは、咲くやこの花館様に、ゴムの木ってありますか?

<咲>パラゴムノキという種類の植物はございます。
<ク>それって消しゴム作れますか?

<咲>消しゴムを?  そうですね。直接作ったことはないんですけれども、その植物が消しゴムの原料となっているのではないかということは名誉館長のほうにお聞きしたことはあるんですけど、ちょっとお待ちくださいね。

>>お待たせしました。名誉館長の久山と申します。
<ク>パラゴムノキがあるっていうのを聞いたんですけれども、もし可能であれば、その木の樹液を頂けたりってできたりするんですか?

<咲>実際に樹液出してゴムの元として使ったことはないんで。
<ク>なるほど。

<咲>分からないんですよ、正直なところ。試してみるということなら大丈夫
ですけど。

<ク>きた!頑張ろ、頑張ろ、頑張ろ!>>ありがとうございます。

<咲>きょう?

<ク>きょう行けたらいいなと思っているんですけど。
<咲>どこから?

<ク>東京から。

<咲>東京から?

<ク>じゃあ、お世話になります。よろしくお願いします。
>>やったー。

消しゴムチームは油とゴムがうまく混ざらず苦戦するが、ゴム工場の職人からアドバイスを受けてなんとか成功。最後は工場の機械を借りて熱プレスを行うことにした。

 

学園バラエティ番組の要請を受けて、2本のパラゴムノキが役立つことになりました。当館では、人類にとって大切な植物、たとえ観賞価値の低いものでも、入手の困難な物でも、栽培の難しいものでもバックヤードで挑戦をしてきました。そのような植物が研究目的で博物館、研究所、大学などで活用もされてきました。一方テレビなどの番組での利用もあり、少しでも多くの方に植物に親しんでいただき、大切さを知っていただくチャンスとなってきました。今回も19時過ぎと東京に戻るギリギリまで取材をされましたが、有難いことに天然ゴムの消しゴムづくりの過程は私たちにも勉強となり、栽培担当者の励みともなりパラゴムの出番も頻繁となることでしょう。

 

パラゴムノキはブラジル原産のトウダイクサ科の樹木でクワ科のインドゴムノキとは異なります。パラはブラジルでの原産地パラ州に因みます。
パラゴムノキのラテックス(乳液)を固めると天然ゴムになります。
パラゴムノキのラテックス採取が夜まで続く。切リ傷をつけるが徐々にゴムではなく水のようにさらさらになり限界を迎えます。

園芸番組「手づくり花づくりプラス」が・・・・・

国内の園芸に関するテレビ番組は「NHK趣味の園芸」とサンテレビの「手づくり花づくりプラス」の2本で、長く親しまれてきています。2017年に23.5年間にわたり司会をされていた高田薫さんのご苦労さん会を開催、その後園芸男子が引継ぎ続けられてきましたが、2022年3月26日(土)で終りになります。最終回は陽春園の野里元哉社長の番組になります。お見逃しのないように。私も小回りの利く園芸番組として、前身の「おしゃれ園芸」時代から番組に時間をいただき、淡路ファームパーク、咲くやこの花館などから40年間に200回以上情報を流させて貰いました。今迄この番組はあって当たり前で来ましたが、ディレクターの田中裕介氏をはじめ関係者の努力により不死鳥のように続けられてきました。今回も、田中氏の企画でテレビ以外の方法を利用して、園芸文化をはじめ自然環境保護をも含めた内容で関西発信の灯を消さないように練られています。不死鳥の具体的な内容は決まり次第掲載させていただきます。

 

収録中、右端がディレクターの田中裕介氏

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