2023.04.04
NHKの朝ドラ「らんまん」が始まりました。植物学者の牧野富太郎博士の郷里高知、そして東京大学のあった東京での生活はよく紹介されています。また植物を追って全国を行脚されましたが、意外と知られていないのが阪神間での博士の足跡です。2008年には神戸の白岩卓巳により『牧野富太郎と神戸』が出版されていますが、牧野博士の阪神間での活動を殆ど紹介していない書籍もあります。博士の日記から阪神間での活動や環境を読み取り、時代を遡ると、私たちに身近な存在になります。博士の人生の中では阪神間は心地よい、人々に敬われ、慕われ、もてなされ、その上大借金をも肩代わりしてくれる救世主までが現れました。一方植物関係者に、博士の教えは浸透していくのでした。阪神間の各学校、研究会などでの博士による啓蒙活動が定着していきました。素敵な音楽をみんなで奏でるような「とき」が過ぎていったのでしょう。
このような牧野博士の阪神間での生活を紹介したコーナーを、咲くやこの花館内の高山植物室や回廊の一部に設けました。その中には牧野博士の弟子の灘校の川崎正悦先生が1934年、校庭に造ったロックガーデンで育てていた高山植物や山野草127種の半数程度の紹介を行っています。また灘校の校庭は一般には開放されていませんが、生徒さんに植物の大切さを知って貰うために、六甲高山植物園や兵庫県立人と自然の博物館の職員と一緒に丈夫な山野草約70種類を植え付けました。灘校の海保校長先生ご夫妻も高山植物にも詳しく約90年前のロックガーデンが蘇り自然教育の重要さをアピールされています。
YouTube「ショクナナ」での阪神間の牧野博士紹介
阪神間での牧野博士の活動はYouTubeで見られます。約43分です。
タイトルは「牧野富太郎博士の足跡を辿る~阪神間で交流した人たちとの痕跡~」です。
NHKラジオ深夜便では4月26日4時~「牧野博士の阪神間での足跡」を須磨佳津江アナウンサーと私でお送りします。
NHK趣味の園芸2023年3月号には「灘校のロックガーデン」が紹介されています。